第19回日本統合医療学会北海道支部 総会、特別公演、一般演題、2018年第22回IMJ全国大会紹介 参加報告
札幌市立大学では初開催のIMJ北海道支部会でしたが、新会場とともに内容や参加者の顔ぶれにも新風が感じられました。
はじめに、例年通りに総会が開催されました。西谷雅史新支部長より、昨年度の収支決算報告、新役員の紹介がありました。
続いて、再び西谷雅史先生にご登壇いただき、座長の猪股千代子新副支部長により、西谷先生の輝かしいご経歴が紹介された後、「北海道とこれからの統合医療」と題した特別講演が始まりました。統合医療の基本的な定義から始まり、人体と宇宙の繋がり、更には人体を細胞、原子レベルまで遡るインパクトのある動画を交えてご説明いただきました。
また、先進西洋医学と質の高い代替医療に特化した自由診療中心の医療施設である北海道統合医療センターの構想についてお話いただき、会場に衝撃が走りました。統合医療を用いたオーダーメイド医療、どんな時でも希望を失わない「あきらめない医療」、終末期の死へのプロセスは人生の総仕上げであると考える「死を受容できる医療」についてお話しされ、死生観を持ち合わせた医療者のサポートが重要であることなどについてお聞かせいただきました。これらを北海道から発信するとのメッセージは、参加者に高揚感を与えてくださいました。
一般演題は、本年は2題でした。題目1は、特定非営利活動法人日本ヨーガ療法士協会 北海道の斉藤香先生による「変形性膝関節症に対するヨーガ療法指導報告」についてのご講演でした。慢性的に膝痛を抱えながらも強度の高いエアロビクスを求められていた76歳の女性の症例でした。厳しく躾けられた幼少期を経て、ご主人への不平不満などを抱えながら過ごしてこられた方に、ヨーガ療法実習を7ヶ月間実施され、同時にアイソメトリック・アサーナ、プラーナーヤーマ、瞑想をご指導された結果、膝痛を生じないエアロビクスに強度を落とす自制心が向上し、幼少期のご自身に原因を見出し、ご主人と膝痛を感じずにご旅行されるまでに至った症例報告でした。
題目2は、NPO法人サイモントン療法協会・サイモントン療法認定カウンセラーでいらっしゃる佐藤三佳先生による「サイモントン療法〜がん(病気)と心の関係〜」についてのご講演でした。ビリーフワークと呼ばれる個人カウンセリングをはじめとしたアプローチにより、感情を安定させ、認知行動療法、イメージ療法を核として取り入れながら、心身、社会面、スピリチュアル面など健康の核となるものの調和を図り、ご自身のみにとどまることなく、家族、友人、周囲の人々、地域社会、地球、そして宇宙にまで繋がるお話をされました。参加者から活発に質問が寄せられ、関心度の高さが伺えました。
その後、2018年第22回IMJ全国大会について、大会長をお務めになる猪股千代子先生より、プログラムの詳細をご紹介いただきました。
最後に、西谷雅史支部長より閉会のご挨拶があり、盛況のうちに終了しました。
全般的に、質が高く内容の濃い学会となりました。来年に札幌で開催されます全国学術大会へ繋がることを祈りながら、参加報告とさせていただきます。
(文責 後藤雅博)
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【番外編】
支部会終了後、関係者で交流会を開催しました。
今年度の支部会開催・運営に携わってくださった皆様、ありがとうございました。