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2018年7月14日(土)13時から15日(日)午前中にかけ、福島県郡山市磐梯熱海温泉ホテル華の湯にて開催された「第6回IMJサマーセミナー in 郡山」の様子を、北海道からの参加者の気づきや感想も交えてご報告します。

北は北海道、南は沖縄まで、仁田理事長はじめ43名の会員や賛助会員が全国から集いました。西日本豪雨の被災地から24時間寝ずの移動で参加されたご夫婦もいらっしゃいました。北海道支部からは猪股千代子先生、神力就子さん、森元智恵子さん、大瀧真美さん、吉武の5名が参加しました。今回の参加者の傾向としては、初参加の方が多かったこと、地域づくりなど統合医療の社会モデルに関与する関係者の参加があったこと、医療従事者では西洋医学のドクターの参加が増えたことの3つが特徴的でした。

そもそも、サマーセミナーは、統合医療の現状や学術活動の促進するために解決すべき多くの課題や今後の展望について、会員や賛助会員相互による忌憚なく意見を交わす場として仁田理事長が提唱され開催されてきました。参加者全員が考え議論しあえる全員参加型の企画です。

今回のテーマは「統合医療を受ける当事者としての私―患者である私、生活者である私、人間である私」でした。統合医療関係者は皆、統合医療を提供するだけの者ではなく、『生老病死』を前提とした人間であり、時には医療機関を受診する患者や患者の家族であり、医療モデルと社会モデルの統合医療を受ける地域住民・生活者であるという視点から、「当事者としてどのような統合医療を受けたいのか?」という趣旨で6部構成のプログラムが行われました。

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第1部は「医療モデルとしての統合医療」についての伊藤壽記先生のご講話の後、患者やその家族としての経験について板村論子先生、松本清香先生からの話題提供。第2部は「社会モデルとしての統合医療」についての鈴木清志先生のご講話に続き、コミュニティネットワーク協会の鏑木孝昭理事長、株式会社統合の杜研究所の藤井美由紀代表取締役の話題提供。これらを踏まえて、第3部では「患者である私」「生活者である私」「統合医療を受ける当事者である私」という3つのお題についてワールドカフェ形式でのセッションが行われました。第4部は夕食を兼ねた討論会でさらに交流を深め、2日目に朝のヨーガ体験、第5部は参加人数の関係で全員参加となったIMJ100人委員会、第6部の総括討論や質疑応答が行われ、閉会となりました。正味24時間とは思えない充実しきったセミナーでした。

帰り道、北海道の参加者で振り返りを行いました。

  • テーマが身近でよかった。特に「生活者としての私」というお題では仕事と家との往復で地域との繋がりの希薄さが浮き彫りになった参加者も多く、(統合医療を広げる上でも、災害時の取り組みとしても)地域での居場所や絆づくりが必要だと実感した。
  • 那須や八ヶ岳など、統合医療を組み込んだ地域のコミュニティ作りや具体的な取り組みがわかってよかった。廃校になった校舎を再利用して、人とつながり仕事や文化を生みだす『那須まちづくり広場』の「こころと体の健康室」や、八ヶ岳アウトレットモールに併設される「自然環境一体型統合医療」に着目したヘルス&ウェルネス統合プログラムを提供する『統合医療研究所 八ヶ岳センター』の取り組みは、地域活性化に向けたアプローチ法は斬新で、これからの統合医療の社会モデルケースとして大変参考になった。
  • 総括討論で忌憚なく意見が交わされ、賛助会員の方の意見もきくことができたことは有意義だった。
  • 今後の統合医療学会の課題として、それぞれの療法を理解し患者さんに情報提供できるケアマネージャーのような役割を果たす窓口が必要であることが確認された。また、患者さんや行政にも入ってもらい、当事者の要望や必要をくみ上げ、一緒に考えまちづくりに反映させていくという課題も確認された。
  • 医療従事者としてだけではなく、当事者や家族、生活者として統合医療を受ける立場の視点を持つことから視野が拡がり、統合医療の質の向上には複合的な視点が必要だと学んだ。
  • サマーセミナーでの「学習する組織(統合医療学会)」としての成長は、今後各支部においても広がりを見せるだろうという実感が得られた。

このサマーセミナーは、これまでの統合医療学会の歴史や課題、他の支部会や世界の現状について体験者の生の声を聴き、立ち位置や役割の違いを超えて対等に話をし、互いへの理解を深め、情報や認知を共有し時間空間を超えた絆が生まれます。このような形式のセミナーの継続を、参加者皆が望んだことは、このセミナーが参加者にとっての癒しや心の拠り所となっていることの証だと思われました。

最後に、北海道支部会の皆様に特記したい報告事項が二つあります。
一つ目は、全体討論の中で、北海道支部会で行ったワールドカフェが大変好評で、その後、会員間のつながりが生まれ支部会活動の活性化につながった件を報告したところ、学会委員会の小野直哉先生から、「今後支部会などでワールドカフェを行いたい場合はデータを送ります」と皆さんに向けてご提案があったことです。北海道支部会の活動をフィードバックしたことで、全国の統合医療学会の活性化への一事例として寄与できたことは、ひとえに北海支部会の参加者に皆様のおかげです。

もう一つは、最後に仁田理事長へのサプライズで猪股先生から花束贈呈があり、統合医療を築いていらしたお二方の歴史と絆が感じられ、言葉にできない感動が会場に充たされました。

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これから迎える10月7日(日)8日(月・祝)の両日、札幌市立大学で行われる第22回日本統合医療学会学術大会に向けて、より一層心を寄せて北海道の統合医療が躍進する機会になるよう、皆さんと協力していきたいと願っています。どうぞよろしくお願い致します。

文責:広報部 吉武ゆり