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札幌YTIC(ヨーガ療法士養成講座)7期 中川 千穂様から寄せられたご感想を掲載しています。

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統合医療学会に参加して
札幌YTIC7期 中川 千穂

はじめて統合医療学会に参加させていただきました。これまで参加してきた医療の学会とは違って、多職種の方が多数参加しており、いろいろな体験型のワークショップがありました。どの演題も興味深いものばかりで、楽しく参加することができました。また遠方の方や多職種の方とも交流ができたり、お互いの専門性を知ることができたりと良い出会いの場・良い学びの場となりました。

大会長記念講演では、川嶋みどり先生、猪股千代子先生の“生きる力をつける” “五感に働きかける”“患者=生活者としての人間を支える”“ケアするものも癒されるケアリング・ヒーリングを使った癒しを目指すチーム医療”というようなお話を聞き、未来型チーム医療の可能性にワクワクしたとともに看護の原点に立ち帰ることができました。

今回の学会の中では、災害と統合医療のお話を聞く機会が多数あったのですが、9月に北海道で大きな地震があった直後だったこともあり、とても興味深く多くのことを考えさせられました。中でも一番心に響いたのは、“被災地支援よりも日常時支援が大切”という言葉でした。普段からの地域包括ケアシステムの在り方、他職種の連携が効果的にスムーズに機能していることが大切で、4つの助(自助・互助・共助・公助)の中で、災害時は、特に自助や互助が必要になってくるとのことでした。日本は昔から災害が多い国なので、普段からの地域のつながり、コミュニティーづくりの大切さを再認識させられました。

また、佐藤美弥子先生のヨーガのワークショップでは「家をなくすことは自己存在に関わる場所をなくすこと」と言われていたのがとても印象的で『心身療法としてのヨーガ』のお話を聞くことができました。「震災が起きた・被災したという事実は変わらなくても、認知(意味づけ)が変われば、自分は価値ある存在と気づき、未来への不安や苦しみは回避できる。」と言う言葉が心に響きました。

シンポジウム2の死生観とQODでは、それぞれ違った分野の4名の先生方の死生観とQODを聞くことができました。日本では死の話をすることはタブー的な面が強く、縁起でもないと敬遠されがちで、なかなか話し合う機会が少ないですが、死を視野に入れて考えて生きることの大切さに気づかされました。

“どう生きるか?どう死ぬか?” “死は生活の締めくくり”
病院で亡くなるのが一般的になっていますが、在宅で最期を迎えたいと思っている方が多いのが実状であり、物語の閉じ方(人生の終わり方、死の在り方)は、ご本人やご家族の自由になっていくべきだと思いました。

私は現在、緩和ケア病棟で勤務しながら、ヨーガ療法士を目指し学んでいる最中です。五感に働きかけ、癒しのケアができる未来型医療を実現させていくチームの一員として、セルフケアを実践しながら、今回の学会で学んだことを日々活かし、エビテンスだけでなく、ナラティブな部分も大切にしていける看護師・ヨーガ療法士を目指したいと思います。ありがとうございました。