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平成31 年3 月10 日(日)札幌市立大学 大講義室に続々と着席する参加者117名のエネルギーは期待に満ちているようでした。会場の盛況は、西谷支部長の掲げた「 医療は新しい時代に ~北海道から始まる統合医療ネットワーク~」というテーマが意味するものに、支部会員のみならず医療関係者や患者さん、地域社会が高い関心を寄せているのだと感じさせるに十分でした。

14:00 司会の後藤雅博先生が、西谷雅史IMJ北海道支部長の経歴を紹介し、記念講演が始まりました。医学部学生時代から薬害をなくすため、患者さんと一緒に市民活動をしていたというエピソードから、すでに西洋医学の内包する問題に目を向けていたことが伺い知れます。その後、漢方に興味を持ち、更には呼吸法や気功法の実践を通し、「心とからだと環境の調和に向けた、自己治癒力重視の“響きあう医療”という理念に行きついた」という自己紹介に、西谷先生が統合医療に向かわれた必然性を感じました。

講演内容は、統合医療の基本的な定義にとどまらず、データを通しEBMの盲点や健康保険制度の問題点、2025年問題と北海道における地域包括ケアシステムの考察、放射性物質や帯電障害をはじめとする環境の悪化が引き起こす疾病構造の変化など、現代医学が直面する諸問題を分かり易く解析し、なぜ統合医療が必要なのかを丁重に説きながら、西洋医学と代替療法の長所と短所を客観的に比較しました。時には動画を活用し、視覚から統合医療の本質に切り込む展開は、専門性の高い内容ながら医学知識のない一般の方も十分理解されたようです。

更には、人体を拡張し宇宙的視野から見る医学との統合、 宇宙の構成要素の一部としての人間と、思考、感情、意志をもった個人との統合、生と死の統合、般若心経や空、悟り、ガイア理論に至る壮大なスケールは正直驚きを隠せませんでした。確かにこれらは永遠の真理ですが、還元主義を主とするサイドから起きるであろうパッシングを恐れず、科学で検証できないものを公の場で敢然と打ち出し、新しい医療を訴える姿は、医学生時代から“目に見えない世界”に導かれていた医師の覚悟を見た気がしました。

最後に、自ら視察された統合医療先進国キューバ、KIBBUTZ、ダマヌール、やねだん、上勝町などを社会モデルとして示し、IMJ北海道支部が統合医療ネットワークを構築することが空論ではなく、統合医療を取り入れた地域包括ケアの実現に向けた5年計画、定期勉強会の開催などの、新しい医療の実践に向け準備が着々と進行していることを示し、「ゴールではなくスタート」と力強く結ばれました。

「大講義室を満席にしよう!」西谷先生の思いを現実にした、事務局並びに役員の行動力と尽力に敬意を表します。

(文責:IMJ北海道支部広報・渉外 大村和彦)

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以下、参加者から寄せられた記念講演の感想を掲載します。

  • 生きること、生活するうえで参考になった
  • 養成講座の開設希望
  • これからも参加希望
  • 統合医療に興味がわいた
  • 更に学びたい。2時間では短かった。
  • びっくりすることが多くこれからもこちらの方で勉強したい。
  • 電磁波治療に興味
  • 興味のある内容だった
  • 統合医療の最新情報・ケアシステムのコミュニティの経過を知る機会があるとよい
  • 自分の存在が宇宙とつながっていること、「死」は終わりではない進化することなど気づきをありがとう
  • この様な会が、これからも盛んになることを願う
  • 東洋医学と西洋医学を組み合わせるとよい
  • ひとりではできないがチームになればできることがある。西谷先生についていきたい。明るい展望が見えた
  • 宇宙や般若心経の話が来るとは思わなかったので、驚き、深く感銘を受けた。今の自分の中でリンクしたことだったので聞きに来れて嬉しかった。またの機会を待ちたい。
  • 統合医療の知らない医療者・政治を司る方々にこそ、もっと聞いてほしい内容だと思う。統合医療のすそ野がもっと広がるようにお手伝いしていきたい。
  • 宇宙の一部である自分を再認識。それがあって、統合医療であることを伝えるには何から始めたらよいか?
  • 面白い内容。このようなクリニックが増えるとよい。保険がきくようなシステムに国も協力願う。
  • 北海道の医療の問題点の解決と、どう自分が関わっていけるだろうか?自分のテーマになった。
  • 会員でなくても参加しやすい会費や雰囲気が助かる。また参加したい。
  • 今、病気に向き合っているので、たくさんの選択ができるようになるとよい。
  • 地域通貨と現金で安価に施術を受けられる仕組みはとても興味がある。期待と関わりもちたい。
  • 興味深い話だった。包括ケアに向けても何か自分にできることがあれば参加したい。又講演を!
  • キューバ医療システムと北海道の医療システムについて詳しく聞きたい。
  • 私が目指している統合医療。本物の治療ができるセラピストを目指して地域貢献をしていきたい。
  • 色々な業種の人たちとのネットワークが広がるように、又技術の向上に役立つようなセミナーなどがあれば助かる。
  • 講演で配布されたチラシの案内をネットワーク内で配信してほしい。
  • 今後、西谷先生を中心に札幌で統合医療の施設が数多くできることを期待。
  • 会場内が暑く、暗かったためメモが取れず残念。係の方が巡廻していたら声かけれた。
  • 公の場で話せるような日が来たことを感慨深く思った。多くの難題があり妨害も働くかもしれないが、前進を祈りたい。目に見えないものは存在しないという現在の科学的なパラダイムが崩れることを祈っている。